山本昭宏『戦後民主主義』中公新書

3月は社会人になってからずっとバタバタしている。

全然本が読めない。けど、年始はどの出版社も力を入れて面白い本を出すものだから、どんどん帳尻が合わなくなっている。

 

本書は、日本で第二次大戦後、戦後民主主義がどのように扱われ、語られてきたかを当時の文化などからも多面的に読み解くものである。

 

戦後民主主義という言葉は、肯定でも否定でも使われる。非常に幅の広い言葉である。それは当時の言論環境を反映していく。今は戦後民主主義は、否定的な意味合いが強くまとわりついている。これは仕方のないことだろうし、必ずしも悪いことではないと思う。

民主主義の定義自体はおそらく変わっていないはずなのに、それを含む言葉の価値がここまでぶれるのは面白いと思った。