エリックホブズホーム『The Age of Extremes the Short Twentieth Century 1914-1991』ABACUS, 1994.

 本書は近年訳書でも出た、筆者による20世紀の通史である。

通史といえるのは、政治・経済のみならず科学芸術の分野も等しく取り扱っている。本書を読むと、筆者の中でソ連という存在、もっと広く言えば共産主義が20世紀の中で大きな要素を占めていたということが分かる。それを傍証するものとして、戦後生まれの若者がチェゲバラに憧れたことなどを描写する。20世紀は共産主義は様々なアイコンとなったといえる。

また本書を読むと政治が浸透したのが20世紀の特徴だったと思える。普通選挙権の拡大やウーマン・リブがといった、政治の担い手の裾野が広がったといえる。他方で、芸術や科学の分野に国家が関わる範囲が拡大したのもこの時代の特徴といえる。こうした巨視的な視野で見れる【見れた気になる】のが、通史を読む面白さであろう。